貸す側の理論
先日、とある不動産屋さんでの出来事。
賃貸マンションの大家さんが、リフォームの相談に来られていました。
その際、不動産屋さんから補助金を活用した提案をされていました。
その事自体は、良い事です。
しかし、無条件でくれる補助金なんて有りません。
その提案を少し離れた所から聞いていたのですが、いくら補助金が出るとか、〇〇〇万円得です、などメリットばかりの説明です。
デメリットとまでは言いませんが、当然その補助金にも条件が有ります。
入居者の条件であったり、特定の場合には…、なんていうものです。
まぁ、リフォームの仕事が欲しいのは良く分かります。
しかし後々、「そんな話し聞いて無かったぞ?」ってなるかもしれないという可能性は…、考えていないんでしょうねぇ~。
そんなやり取りを見ていて、以前相続対策で、銀行さんからの紹介でマンション建設の提案をした時の事を思い出しました。
銀行さんからの紹介ですから、基本的に融資は問題無いものと思っての提案です。
念の為、提案前に事前に銀行さんに、どんな提案内容かお伝えし確認もしました。
後々、話しが進み契約頂き、融資の申し込みを行った所、当初の想定より融資可能な金額がかなり低い事が判明しました。
当然不足分は、自己資金で出すしか有りません。
しかし、その不足分が大きかった為に、その方は計画を断念したいと言い出されました。
私としても、その方の事情を考えると、そこまで自己資金を出すのは、相続対策とはいえリスクが大きく、不安にもなるだろうなと思い、その方向で考えていました。
しかし…、ココからその銀行の担当者が、“頑張る”のです。
「それだけ自己資金を出しても、〇〇〇〇万円節税できます。だからすべきです。」との事。
確かに、自己資金でも融資でも、節税額は計算上変わりません。
しかし、相続税がゼロになる訳では有りませんので、少なくなった現預金で残りの納税を考えないといけません。
モチロン、手元のお金が減るのですから、様々な事に関係します、影響します。
お客さんも、様々な不安を口にされていました。
しかし、銀行員も一歩も引かず、なんとか自己資金を納得させて、このまま話しを進めさせようと必死です。
明らかに、そのお客さんの事を考えているのではなく、自分の成績の事で頭が一杯です。
その銀行からの紹介なので、無理に口は挟みませんでしたが横で見ていて、「よく、こうもあからさまに、強く営業できるなぁ~、半ば屁理屈ばかり並べて…。」とあきれていました。
銀行員と言うのは、基本的に2年前後で移動になります。
その為、後々の事はあまり考えないという、モラルの薄い銀行員もいる事は確かです。
しかし生活していく・様々な事をする上で、銀行とのお付き合いは必要です。
よく、「銀行は、晴れの日に傘を貸して、雨の日に傘を取り上げる」なんて言われます。
融資が受けらる事は、大きなメリットです。
しかし、どんな場合も喜んでばかりで良いとは限らないかもしれません。