ハウツー本には、注意が必要?
ハウツー本には、注意が必要?です…。
以前からの話ですが、ずっと気になっているので書き留めておきます。
不動産や相続に関する相談を受けていると、よくハウツー本や雑誌の記事に出てくる話を鵜呑みにしている人がいます。
それらハウツー本や記事に書いて有る事が、間違っていると言いたい訳では有りません。
殆どの場合、本当の事が書いて有ります。
私自身、参考になるものも沢山有ります。
ただ気を付けないといけないのは、その本や記事の内容と自分のケースが合致していないケースが有ると言う事です。
民法や税制、その他法令等には細かい規定が有りますので、そのまま適応できるかどうかは、個別の事情によります。
以前、とある大家さんの頼みでテナントさんとの話し合いを間に立って行いました。
モチロン私は弁護士では有りませんので、その旨を事前に説明して、納得いかないなら弁護士さんにお互い頼んでくださいよ、と前置きしての話です。
細部は割愛しますが、最初は家賃の金額の変更についてでした。
そして、退去するしないの話しになって行きました。
その際テナントさんより、敷金の件が出たのですが、全額返せとの事。
契約書には、敷き引きについての記載が有ります。
詳細は長くなるので割愛しますが、このケースの場合は敷き引きは無効とはなりません。
そのテナントさんと話している最中に、チラッと机の引き出しの中に、その様な事に関するハウツー本が見えました。
そこで、「〇〇さん、私は大家さんからのお願いで来ましたけど、一応中立の立場で話しをするという約束なので正直に言いますが…。」と、ハウツー本を読んでその様に言われている事に気づいた事、そして読まれたハウツー本の内容について説明してあげました。
その後、納得して頂け話しはまとまりましたが、ハウツー本の記事を元にして、しかも拡大解釈?か誤解?をしたまま、その後も話しを続けている(主張し続ける)と、当然話しはまとまりませんので、その後はおそらく弁護士さんの登場、となった事でしょう。
そうなれば、結果はお互いに時間と費用と気苦労が掛かり、ましてやテナントさんも敷き引きは帰ってきませんので、両者ともにデメリットばかりです。
人間、お金が絡むとすぐに損得勘定に走りがちです。
もちろんお金は大事ですので、損しない方が良いに決まっています。
しかしその損得勘定が先行しすぎると、感情論に突入して突っ走ってしまい、後戻りできなくなる人が結構います。
ハウツー本や雑誌の記事には、キャッチ―な言葉が躍っていますので、そう成りがちなのも分かります。
しかし世の中、そんな美味い話し・良い事ずくめの話しは有りません。
必ず、メリットとデメリット、条件や裏が有るものです。
本当に自分に、適した話しかどうか、該当するのかどうか、等の見極めは用心しながら行うべきでしょう。