NPO商法?
先日、以前勤めていた会社の年上の後輩?(人生では先輩ですが…)の方から、相談が有りました。
意見を聞かせて、との事。
内容は、その方が知り合いの人から、とある会社に入らないかと誘われているとの事。
その会社はリフォーム会社なのですが、一般の住宅所有者向けに、既に入っている火災保険を使ってリフォームが可能である、との営業をすると言う事でした。
要は、既に入っている火災保険の中には、修繕に対する保障が付いているものが有るが、それを知らずか忘れてか、使っていない人が結構いるので、それを教えてあげて(コンサルして)リフォームの注文を取ろうという事のようでした。
上手く行けば、殆ど火災保険からの保険金でリフォームが出来る、という謳い文句です。(リフォーム箇所は限定されるようでしたが…。)
基本的に内容は、違法でもなんでもありませんし、家の所有者にとっても既に入っている保険からの保険金でリフォームが可能なら、一見良い事の様に思えます。
(まあ、保険会社にとっては払わずに済んだかもしれない保険金を払う羽目になって、ありがた迷惑とは思いますが…。)
私もFPの端くれです。
火災保険等の損害保険は扱っていませんが、だいたいの内容は掴めますし、問題点なども少しは予想が付きます。
しかし今回の話しで一番気になったのは、そのリフォーム会社自体でした。
よくよく聞くと、そのリフォーム会社の本体は、建築現場などで使う足場の会社だと言うのです。
そして、その火災保険についての裏付けというか、コンサル?アドバイス?の根拠というか、それは、別に火災保険に関するNPO法人?の様なものを作っており、そのNPO法人が世間に火災保険をもっと活用してもらう事を普及したり啓蒙活動の一環?として、そのコンサル?やアドバイス?に対して“お墨付き”を与えるとの事でした。
正確には知り得ませんが、典型的なNPO商法の匂いがプンプンします。
その為、その方には違法では無いかもしれないが、ちょっと胡散臭いと思う旨を理由とともに正直に伝えました。
その後その方が、その会社に入るのかどうかは知りませんが、この様な話しは意外に身の回りに有るものです。
特に、NPO法人や何とか協会とか、色々有ります。
モチロン、真っ当な組織・活動のNPO法人や協会が殆んどだとは思いますが、やはりその看板というか、NPOと付いていたり〇〇協会と付いていたりすると、安心してしまう人もいる事は事実です。
例えば個人的考えですが、以前よりも“一部上場企業”というものの信用は低くなっているようにも思います。
倒産に不祥事、 違法行為にインサイダー取引など、これらのニュースが以前よりもかなり多くなっていると思うのは私だけでしょうか?
モチロン立派な会社は沢山あります。
しかし、有名であったり、大きかったりといった事だけで信用する時代では無くなって来ていると思うのです。
会社が大きいか小さいかや、上場しているかしていないか、有名かどうかや知名度が有るかどうかなど、基本的にはそれらだけで判断出来る事は、あまり多くは無い様に思うのです。
小さな会社でも、立派な会社はいくらでも有りますし、無名に近くても実はとても大きな仕事を沢山している、なんて会社も有る訳ですから。
同時に、有名でも中身は実は…、という会社も有る訳ですから。
これらと同様に、NPOや〇〇協会と組織名に付いていても、何の組織で中身がどうか?をしっかり判断しないと、実は看板だけで、違う会社の(営業の為の)隠れ蓑だったなんて事も…。
でもまぁ、それで信用が得られてしまう=商売になってしまうという事が有る限り、似たような事が無くなる事は無いでしょうから、時代として自己防衛をしないといけないという事でしょう。
真っ当なNPO法人さんや協会さんには、はた迷惑な話しですが。