不動産投資や有効活用で成功する人・失敗する人
不動産投資や有効活用で、成功する人と失敗する人の違いは?
休日の日に、古い本を引っ張りだして読んでいました。
それは10年ほど前に書かれた、一般の住宅購入者を対象にした本です。
10年前ですから、バブル崩壊から10年少々といった時期でしょうか、その頃に書かれた本です。
その中で著者が、バブルの頃に知人に4,000万円程の家を購入してもらったが、バブル崩壊のあおりを受けて、ローンが払えなくなり知人が自己破産したという体験談が書かれていました。
(地方都市の郊外の様でしたので、4,000万円は高額物件だったでしょう。)
その本の著者は知人に対して、「俺があんな高い家を売ったばっかりに…。」と罪悪感を持っていたそうですが、知人からは「お前のせいじゃない。気にするな…。」と言われたそうです。
その時からその著者は、家づくりは「身の丈に合った家を手に入れる事が大切」であるという事を学んだそうです。
自分の住む家と、収益等を目的にした 不動産投資や有効活用は違う物ですが、この「身の丈に合った」という部分は、同じだと思います。
自分の住む家を買った時のリスクは、例えば収入が無くなりローンが払えず、家を手放さざるをえないといった事態でしょう。
不況が長引いていますから、リストラや会社の倒産、給料のカットなどが可能性としては考えられますので、しばらくの間は収入が減ったり途絶えたとしても、家やローンの支払いを維持していけるかどうか?変動金利で借りてる場合は金利が上昇しても大丈夫かどうかが、「身の丈に合っているかどうか?」の1つの判断材料でしょう。
一方の不動産投資や有効活用の場合も、基本的にはやはりローンなどが払えず、維持していけない・手放さざるを得ない、といった事態が考えられます。
基本的には、物件そのものが上げる収益からローンを返済するわけですから、ローンが払えなくなるという事態を、なかなか想像できない・実感できない人もいるようです。
しかし不動産の仕事に関わっていると、そのような状況になった方の話しに接する事が、意外にたくさん有るものです。
基本的にローンの返済ができなくなるというのは、返済額が上昇するか、家賃収入などが減少するか、その両方か、のどれかです。
この3つは、想像も実感もしやすいものです。
その為、これらの点については当然シュミレーションしたり、準備や対策をしたりしている人も沢山います。
しかし中には、リスクが考えてもいなかった所にまで、影響する方もいらっしゃいます。
自分の住んでいる家とは違う為に、“まったく別物・別の事”という感覚をお持ちの方です。
わかりやすい事例としては、投資用マンションを買ったがローンが払えず、手放した…、だけならまだ良かったのですが、手放したマンションではローンの残債を完済できずに…。
結局、自宅まで売って返済せざるを得なくなった、というケースなどでしょう。
ここでのポイントは、自宅を購入するローンと収益物件や土地活用の際のローンは、“別物”である、ローンといっても種類が違うという事です。
単に自宅を手放した…、といった様な事では済まないケースが多く考えられます。
モチロン借入の際の融資条件によりますし、残債がいくらか?や、その場合の金融機関の判断等にもよりますので、必ずそうなるという事でもありません。
しかし世の中には、その様な人も意外にいるのです。
その様な人は、姿をその後に隠す事が多い為、世間で目立たないだけです。
何も、不動産投資や有効活用はしない方が良い、と言っている訳では有りません。
不動産投資や有効活用が悪い訳でもありません。
投資により、利益を上げる・利殖を図るには、リスクはつきものです。
何事にもリスクはつきものですし、リスクを取らないと利益は上がりません。
では、不動産投資や有効活用の場合の「身の丈に合った」とは、どんな状態でしょう?
1つは、その事業がダメになっても、生活全てを失ってしまう可能性が少ない事でしょう。
もともとの資産家や農家の家系で土地を持っていて、そこに何かを建てる場合は、土地の購入費が無い分、リスクは少なくなります。
また最悪、その事業がダメになっても他の資産が有る為に、生活を失うという可能性は低いかもしれません。
しかし、土地も建物も買う場合などは、 注意が必要です。
とくに、不動産投資の流行や金融機関が貸してくれるから、といった事のみでされた場合は、自身の身の丈に合っているかどうか?をチェックしてみた方が良いと思います。
定期的に。
別ブログで、近いうちに書こうと思っていますが、資産全体とローン(負債)との関係を甘く見ている人がいます。
返済できているうちは決められた返済額を返済すれば良いのですが、一旦返済が滞ると、そうでは有りません。
返済についての主導権は、基本的に金融機関が持つ事になります。
また購入した物件を売却して残債を消せれば良いですが、そう簡単に行かない事も有ります。
融資の際の評価額などは、あくまで融資の為の評価額です。
またご自身が買った値段は、あくまでご自身が見込んだ価値の価格です。
他人が買う時は、他人がその価値の価格を決めます。
ましてや、買い手がすぐに付くかどうかは、やってみないと分からない事です。
しかし、返済は待ってくれません。
それらの事情が有るので、最悪の事態というのは、起きる可能性は少ないのでしょうが、起きた時には影響が大きいので、考えてはおくべきでしょう。
そうなってからでも当然ですが、その様な状態に近づいてからでは、手遅れの場合も有るのですから。
あくまで、投資・利殖の為にする事ですので、生活を失ってしまう可能性は極力少ない方が良いに越した事は有りませんので、 この点は重要なポイントでしょう。
不動産会社の人間といっても専門分野が有るのです。 金利にも色々あって…