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坪単価の不思議な世界・賃貸マンション編

建物を建てる時には、“坪単価”という物がやはり気になる人が多いようです。

一般の戸建て住宅の場合には、特にでしょう。
チラシやCM、雑誌などには「坪単価〇〇万円で…」という謳い文句が並びますし、買う側としてはやはり同じ物なら安いに越した事は有りません。

その坪単価については、どこからどこまでが坪単価と言われるものに含まれるのか?の、ルールや規制が有る訳は有りませんので、各社各様です。

その為、見せかけだけの坪単価の安さをアピールしている会社も有るようです。

一般の住宅向けの、その様な話しはインターネットで検索するなり、本などで情報を仕入れようとすれば、山のように有ります。
特に、法定の床面積と施工床面積の違いや、尺モジュールとメーターモジュールの違いなどが主になります。

それらの情報は沢山有益な物があるので他で見て頂くとして、賃貸マンションや賃貸アパートについてはどうなのか?について、ここでは書いてみたいと思います。

筆者の経験上、基本的には住宅向けと同様です。

ただ、そこにプラスして集合住宅形式の為に、屋根つきの駐輪場やプロパン庫を設置する事が有りますので、それらの面積も含めて計算する事も有るようです。
当然坪単価は、安くなります。

しかし一般の住宅向けと大きく違うのはそこの所よりも、 全体の金額が大きい為に、各費用項目の金額の内訳をいじっているケースが多いという事だと思います。

つまり、建築費として比較されそうな費用を減らし、それ以外の費用に計上する、という事です。
モチロン限度は有りますが、簡単に出来る事です。数字を変えるだけですから。

筆者も、過去に坪単価を比較された事は当然あります。
その次は、全体に対する設計費です。

でも…、それ以外の費用項目を比較された事は有りません。 

(一般の住宅向けでも同様な事は言えるのですが、全体の金額が賃貸マンション等に比べると小さい為、ある意味ばれやすいので影響は限定的でしょう。)

建築費の坪単価を比べると言う事は…、基本的に“建築費”を比べます。
しかし、その建築費とはどこからどこまででしょうか?

と言うよりも、その物件をいくらで売ろうか?いくらで請け負うか?これにも、ルールは有りません。
当然、金額の内訳にも規制が有る訳では有りません。

特に賃貸マンション等は 請負契約になる為、基本的には全体の金額で足りていれば、受ける側は問題有りません。

つまり、設計費なのか?諸費用なのか?地盤工事費なのか?などなどです。

その上、戸数が多い為に設備や資材の単価が少し違うだけでも、金額は大きく変わります。
当然、計算上の坪単価なんて、あっという間に変わってしまします。

その為、坪単価というものは、多少の目安にこそなれ、比較するには意味の薄い指標だと思います。

では、どうすれば良いかと言えば、モチロン全体の総額での比較をする事でしょう。
注意点は、追加工事なども全て含んでの金額です。

これであれば、比較が可能です。

ただし、先ほども書いたように、設備や資材などが違えば金額も大きく変わる事から、その点の注意は必要でしょう。
ユニットバス1つの金額が10万円違えば、10世帯では100万円違うのですから。

ちなみに過去に、何度も何度も繰り返し相見積もりをさせられた事が有りました。
会社との繋がりの有るお客さんだったので、仕方なく再度の提示、再再度の提示を繰り返していました。

途中から、プラン(設計)については、もうこれで決まりで変更は一切なし、後は価格だけという段階になりました。
設計についても細かい指定をする方でしたので、他社とは一つの設計図を元に相見積もりをするような形になって行きました。 

結局、他社と行きついた所は、ほぼ同じ値段でした。

まあ、両者とも上場企業でしたので、地場の工務店等に頼めば価格は変わったとは思いますが、会社の規模などが同じぐらいだと…、突き詰めると同じような値段に成るという事でした。

これは、よくよく考えてみると、ある意味当たり前の部分も有るような気がします。

いくら上場企業とは言え、全ての資材を自社で作っている訳は有りません。
コンクリートは、地域のコンクリート会社から買って使いますし、釘やボルトもそれらのメーカーのものです。
殆どは、自社以外で作ったものを使っています。
また大工さん等の工賃も最低賃金が有りますので、会社によってそれ程大きくは変わらない筈です。

すると違うのは、利益をいくら乗せるのか?という事や、その建物の設計や企画・コンセプト等の違いからくる、建物自体の違いです。

殆どの場合、建物自体が違う訳ですから、金額で比較して意味は有るのでしょうか?

その為、筆者としては、特に賃貸マンションやアパートなどの集合住宅は、単純な金額の比較は殆ど意味が無いと思っています。

それでも気になる方は、納得いくまで頑張ってください。

最近は、この様な坪単価の話しがインターネット等で簡単に見れてしまうせいも有ってか、戸建て住宅の世界では、1戸建てが〇〇〇万円から…、という様なキャッチフレーズが聞かれる事が多くなった様に思います。

かたや賃貸マンションの方は、あまり変化は無いようです。

しかし、これから賃貸マンション等を建築する方などは、やはり気になる事も有ると思います。
これからは、以前にも増して事業としての計画全体の比較・検討・チェックが重要であると思います。

今後の高齢化社会や人口・世帯数の変化、競合物件の数などから考えると、賃貸物件の二極化が進んでいくと思われますので、その点を重視するべきではないでしょうか?


 


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